想い出写真館 NO.5

薬師寺西塔・東塔



西塔基壇に映る東塔 左手に金堂再建中の塀が見える(1972年ごろに撮影)

東塔

国宝。現在寺に残る建築のうち、奈良時代(天平年間)にさかのぼる唯一のもの。

総高34.1メートル(相輪含む)。日本に現存する江戸時代以前に作られた仏塔と

しては、東寺五重塔、興福寺五重塔、醍醐寺五重塔に次ぎ、4番目の高さを誇る。

屋根の出がか所にあり、一見六重の塔に見えるが、下から1.3.5番目の屋根は

裳階(もこし)であり、構造的には三重の塔である。仏塔建築としては他に類例の

ない意匠を示す。塔の先端部の相輪にある青銅製の水煙(すいえん)には飛天像が

透かし彫りされており、奈良時代の高い工芸技術を現代に伝えている。

西塔


旧塔は享禄元年(1528年)に戦災で焼失し、現在ある塔は1981年に伝統様式・

技法で再建されたものである。デザインは東塔と似ているが、東塔が裳階部分を

白壁とするのに対し、西塔は同じ箇所に連子窓を設けるなどの違いもある。

東塔も元々は連子窓であったが修復で白壁にされた。

一見すると東塔に比べ若干高く見えるが、これは1300年の年月の内に、

東塔に材木の撓みと基礎の沈下が起きたためであり、再建された西塔は

そのような年月の経過を経験していないため、若干高く見えるとの事である。

西塔の再建に当たった文化財保存技術者西岡常一氏によれば、500年後には西塔も

東塔と同じ高さになる計算だと言う。西岡常一氏の文献を参考にしました。



薬師寺遠景(1990年ごろの撮影)

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