大分県中津市の小学校体育館
☆ 地 材 地 建 ☆
平成22年9月25日午後、木造体育館でシンポジュウムが開かれた。
体育館の規模は梁行24.7m、桁行37.8m、総床面積は974.61平方メートル
(一部2階建て)工程表によると平成19年5月から平成20年2月まで
設計期間として平成20年9月準備が始まり、山林での原木の確認、
伐採、搬出、乾燥、製材そして木材加工、建て方、内外装を終えて
平成21年2月竣工したとなっている。
使用木材は約300立方メートル、その木材は平成17年3月の町村合併により
森林面積が3%から77.5%に増大したことからその木材活用に始まったそうだ。
(以上は主催 中津市 後援 林野庁大分県 「木の学校づくりシンポジュウム」
の資料を参考にしました)

私が卒業した学校も職人として見習い中の学校建設も木造建物が主流であり
何時のころか鉄骨造に変わり、鉄筋コンクリート造になっていった。
そして再び木造建物に変わろうとしている。
木材の豊富なわが国にはそれを使わない手はない。
ましてや日本の気候風土に合った木造建物は人の心も穏やかにする。
各地で林業の衰退が見られ放置された山林があるが今こそ見直される時期に
来ているのではなかろうか?


最後尾に着席したのだが一枚の写真には納まりきれずこうなりました。



それぞれの木材は直木であり集成材ではなく継ぎ手や仕口は
すべて在来工法(伝統工法)でありました。
一部に補足的にボルトが使われておりましたが継ぎ手は雇い竿継ぎで車知打ち、
重ね梁の接合は木ダボと伝統の技法を駆使した建物となっています。
構造材は土台が桧を使っていましたがほとんどが杉材で3mから6m材でありました。


壁板は杉材(一部桧材アリーナ壁)でありましたが何故かステージ前上壁は
しな材(合板?)が使われていました。(明るく見せる為の意匠と思われる)
しな材の一枚の大きさは幅約90cm、高さ約180cmであり建物の
大きいことが想像いただけると思います。


屋根下地板が45度の傾斜を付けて貼られている。
意匠的な事もあろうが屋根筋交いとして有効な方法であると思われる。
左下にアリーナの桧板貼りの壁が見える。


正面 外観も木材が使われていることが分かる。
正面玄関への進入路は階段とスロープ及び手すりが付けられており理想的であろう。


木造建物である事から窓越しに筋交いが見えるが意匠的にもおかしく感じない。
静かな田園風景の中の建物であるが隣接道路は交通量が多く少々気になった。

編集あとがき
私が中学校を卒業後、方式は違うが学校の校舎の建て替が盛んに行われており
数棟の校舎の建築にかかわった。50年ほど前のことだ
私がかかわった木造校舎が現存することがわかっており近いうちに訪ねることにしよう。
2010/9/25 撮影 /27 公開

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